薬物療法

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躁状態になったときは

一般的なうつ病は、気分が落ち込むことが続いたり、ずっとやる気が出なかったりする、などの症状がありますが、躁鬱病というのは、気分の上がり下がりが激しい症状が表れます。うつ病のように気分が落ち込むこともあれば、突然気分が良くなり多幸感があったり、行動的になったり、食欲が増えたりします。このような気分の上がり下がりの振幅は、生活を麻痺させてしまうのです。生活の麻痺を防ぐためにも、躁鬱病の治療では、薬物を利用して気分を安定させていきます。

うつ状態になったときは

躁鬱病の症状を抑えるために、気分安定剤を使用します。気分安定剤には、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンなどがあります。リチウムは副作用が強くなることがあるので、定期的にリチウムの血中濃度を調べる必要があります。低すぎると治療効果も無くなってしまうのですが、高過ぎると副作用が強くなってしまいます。症状や検査内容によっては、他の薬を使うこともあります。躁鬱病は、躁状態とうつ状態の交互の症状が出るというものです。うつの症状が強い場合には、抗うつ薬を使用したり、非定型抗精神薬を使用したりすることもあります。

躁鬱病の治療の流れは、急性期治療、継続気治療、予防というものです。強い症状を緩和させたら、躁鬱状態から回復するまでに薬物を服用して治療を行います。薬物の効果が出て、症状が緩和されたら、再度症状が表れないためにも予防として薬物療法を行います。初めての躁鬱病の場合は、急性期治療を3ヶ月続けます。

躁鬱病(または双極性障害)というのは、著しく気分が高揚する躁状態と、意欲が低下し憂うつになるうつ状態の正反対の心の状態を繰り返す病気です。 うつ病との違いは、うつ病がうつ状態だけなのに対し、躁鬱病は2つの相反する症状を繰り返すところです。これが、躁鬱病を早期発見しにくく、治療を難しくしている要因の一つといえます。 躁の症状が出ている時は、異常なほど気分が高揚し、「自分はすごい」などという万能感が強くなります。睡眠をとらなくても平気になったり、極端に上機嫌になり、アイデアが次々と生まれてじっとしていられなくなったりします。 しかし単に元気で活動的という状態ではなく、様々な問題を引き起こします。実現不可能な無謀な計画を実行に移そうとしたり、後先を考えず快楽的な行動に熱中し、異常な浪費などが見られることもあります。いろいろな考えを思いついても、注意力散漫で物事に集中できず通常の判断ができなかったりします。 本人に病気の自覚はなく、自分の思考や行動を正当であると思い込んでいることが多く、病識がないため、自分から病院へ行こうとすることはまれです。

うつ状態になると、気分がひどく落ち込み、憂うつな状態が2週間以上続きます。趣味に興味や意欲を持てなくなり、何をしても楽しさを感じられず、億劫で家事や身の回りのこともできなくなったりします。身体症状として、不眠、食欲不振、倦怠感などが現れます。 人付き合いも面倒になって引きこもり、食事や入浴ができなくなり、一日中布団にもぐりこんでいる、といった症状が出る場合もあります。考え方は悲観的になり、将来に絶望して自分を責めたりします。うつ状態の本質は、生命エネルギーの枯渇ともいえます。 躁鬱病患者は、長年、躁やうつの症状に振り回され、大変な苦労をしていることも少なくありません。まず自分が病気であると自覚を持ち、病気と向き合ってもらうことが、躁鬱病ををうまくコントロールするための第一歩です。躁やうつの症状がない時の自分が本来の姿ですから、それをどのように維持していけるかを考え、家族や医師の協力を得て、生活を立て直していくことで効果的に治療をすすることができるのです。